微分方程式[5] - ガンマ関数/ベータ関数とその演習問題

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参考文献: フーリエ解析 (マグロウヒル大学演習)
参考文献: フーリエ解析 (マグロウヒル大学演習)
前回までで線形上微分方程式のうち最も簡単な定数係数線形常微分方程式を習得しましたが、ここからは少し発展したタイプの変数係数線形常微分方程式というものに挑戦します。ただしこれらは統一的に解けるわけではなく、決まった形に対して決まった解法が知られていて、しかも特定の変数係数を持っているものは物理の問題を解く際出てくるので詳しく調べられており名前がついている、といった程度のものです。
 その前に特殊関数(special function)というものを知っている必要があります。簡単にいうと、式は複雑だがとても便利なのでそれ自体を一つの記号として定義した関数のことで、これは今後調べていく変数係数の常微分方程式を解いたとき、その解のなかに出現したり、あるいはその方程式の解そのものが記号として定義(=特殊関数として定義)されたりします。
 今回は、そういった方程式を解く前に、特殊関数への入り口ともいえるガンマ関数、ベータ関数を紹介します。ここから特殊関数というものの扱いに徐々に慣れていきましょう。ここでは厳密さは全部無視し、道具として使うための方法だけを紹介します。変な記号を使って収束がどうだの定義がどうのこうのと議論することが目的ではなく、実用上の問題を解けるようになることが重要です。

ガンマ関数の定義

特殊関数を知る上で一番基本的なのがガンマ関数(gamma function)と呼ばれる関数です。基本的に特殊関数の定義はどれも見た目が複雑です。複雑ですが他の特殊関数は基本細かい定義は覚える必要がなく、性質だけ押さえておけば十分であるにもかかわらず、ガンマ関数は定義を覚えておく必要があります。なぜならガンマ関数は積分計算にも応用でき、その形を知っていないとガンマ関数に帰着させることができないからです。
 ガンマ関数は以下のように定義されています。
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xの累乗に収束性の優れた e の累乗をかけて無限大まで積分した関数です。無限大の極限では ∞/∞ の不定形になるため、ロピタルの定理より上下を何度も微分すれば下は永遠に形が変わらないので最終的に分子の次数が落とされ続けて 0 に落ち着くことがわかります。ガンマ関数のかっこの中は n なのに x の肩の数字は n-1 であることに注意してください。

階乗としてのガンマ関数

 重要なのは、この変な関数は階乗の拡張だということです。別名階乗関数とも呼ばれます。では階乗となぜ結びつけられるかを調べます。ガンマ関数に限らず、特殊関数はそれぞれ特有の性質を持っており、元のややこしい定義式をいじり回すというよりはそのいくつかの性質を使ってうまく処理してやる、というのが主なやり方です。そのなかでもガンマ関数は次の性質が特徴的です。これは非常に重要なので絶対に覚えましょう。
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証明方法自体は原則どの特殊関数であっても定義式をいじるだけなので本質的ではありません。結果としてこのような性質があることを把握し、運用できることが重要です。ただしいきなり与えられても運用する気にはなれないというのも事実です。そこでひとつひとつ理由を調べていきましょう。この性質は定義式に従うだけで容易に証明可能です。
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このように、隣についている自然対数は微分しても形が変化しないので、部分積分を適用します。こうすれば x の累乗は肩の数字が落とされて n-1 になったものを見いだせることがわかります。
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先ほど書いたように、 x の累乗と自然対数では、ロピタルの定理により x が何乗であっても必ず e の方が増加スピードが速いため、最初の項は 0 になり性質の証明が完了します。
 ガンマ関数のかっこの中が n の時、その数字を1減らす代わりに前に減らした後の数字が出せるということは、これを延々と繰り返せば n(n-1)(n-2)・・・・ となっていくことがわかります。これは階乗に非常に近いものですが、どこまで小さくできるのでしょうか。基本的にガンマ関数は 0 以上の数に対して定義されます(0を下回ると正の数の場合とはまた違った様子を示します。これは後述)。したがってかっこの中が 1 以下になった場合そこで終了です。その Γ(n) の値がいくつになるかは、整数か非整数かによって区別されます。一般に非整数の場合は手計算では値を求めることはできません。ただし整数の場合は結果が知られていて、というよりは手計算で調べることができて、
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です。以上より、n が整数であれば必ず Γ(1) まで落ちてくるので、ガンマ関数整数の場合、階乗そのものであることがわかります。
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このように、ややこしい定義ですが、Γ(n+1) で n! になることに注意して下さい。あいまいになった場合で、参考書などを参照できない環境にいる時は、ガンマ関数の定義を覚えていない場合は詰みですが、覚えていた場合はこのように定義からどれも簡単に導出できるためお試し下さい。

非整数のガンマ関数 - 階乗の拡張

ガンマ関数が階乗の拡張だと言われるのは、ガンマ関数が整数の場合、今まで知ってきた階乗の性質を全て満たしている上、さらに整数でない場合の階乗というものも考えることができるからです。既に書いたように
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で、x が整数でないと部分積分などしても x は永遠に消滅しないため手計算では値を知ることができなくなります。ただし半整数、つまり (2n+1)/2 (もっと簡単に書くと 1/2, 3/2, 5/2・・・・)の時は手計算で値を算出可能です。これは実はガウス積分になるのです。私は勝手にルートπ積分と呼んでいますが、
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という積分のことです。実はこれはちょっと手を加えてやると二重積分、極座標変換可能な形に持って行くことができ、極座標変換数すると簡単に積分できるようになるため値が求まるのですが、詳しい方法は既にやったためそこを参照して下さい。なぜこのような形にできるかは、具体的に代入すればわかります。
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このようにルート x (xの1/2乗) 自体を新たに x と変数変換することで、ガウス積分に帰着しているのです。したがって Γ(1/2) = ルートπ の関係がわかりました。これより、たとえば Γ(7/2) を知りたければ
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になるわけです。ガンマ関数の計算の感覚はこれでつかめてきたかと思います。結局、このように数字を1ずつ落としていくことで、最終的に n の部分は [0,1] 区間まで落ちます。その Γ(n) がいくつかが問題なのです。上は 1 または 1/2 まで最終的に落ちるので具体的に値を示せましたが、例えば Γ(1/3) などはすぐには分かりません。こういった場合、それ以上詳しく値を求めるのはコンピュータの仕事です。

負のガンマ関数

正のみ、と書きましたがガンマ関数の n は実数であれば何でも入れることが許されます。ただし n が正の時とは異なり、負の場合ガンマ関数の挙動は大きく異なります。n が 0 含む負の整数のときは値が発散するのです。あまり出てこないので簡単な確認にとどめておきますが、これはガンマ関数の性質を使うと分かります。
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という性質によって n の数字を下げられるということですが、逆に考えると、これは数字を上げられることも意味します。つまりこれを変形して
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だということです。 n が正の数であればどんどん上げていけるのでおかしなことは起こりませんが、0 のときや負の整数時は必ず上をたどっていくと(0の場合であればすぐに)分母に最終的に 0 が登場して発散してしまうことがわかります。しかも正の無限大に発散するか負の無限大に発散するかは左または右どちらから近づいたかによって異なってしまいます。これは知識として知っておくだけで当面問題は無いでしょう。

ベータ関数の定義

ガンマ関数の発展形と呼んで良いのかは分かりませんが、亜種のような存在としてベータ関数というものがあります。ベータ関数は今後の展開から言うともう出てくることがないのですが、特定のタイプの積分計算を非常に簡単にしてくれます。またベータ関数はガンマ関数のみで定義することもできます。なにかと新しい記号が登場して混乱してしまいがちですが、とにかく本質的な部分は、特有の性質がありそれを駆使すれば変な定義式を直接計算せずに結果が出せるということです。
 ベータ関数は以下のように定義されます。
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ガンマ関数と似ているような、似ていないような定義ですが、積分範囲が0から1になっていること、また m,n の2変数関数であることに注意してください。ガンマ関数は次回から紹介する予定のベッセル関数の定義式に含まれているため重要ですが、x(1-x) というのは、ある確率 x とそうでない確率 (1-x) の積なわけです。積分範囲0から1もそう関連づけると覚えられるのではないかと思います。そのため確率などの分野では重要ですが、基本的な微分方程式を見る上ではもう出てこないので必要に応じて覚えたり忘れたりしてください。何度も書きますが重要なのは定義式を丸暗記することではなくてその特殊関数にどんな性質があり、その性質を活かしてどう扱えばよいのかのノウハウの部分です。定義式は無理に暗記する必要もなくて、参考書が片手にあれば済むことなのです。

三角関数によるベータ関数の表現

あの変な定義式は、三角関数によって表示できます。
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これも覚える必要はありません。三角関数の半周期積分と結びついていることを知るのが重要です。私たちはベータ関数の出発点を
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としました。どのようにしてこの三角関数の表記が得られるかを証明しましょう。
 とりあえず x の m-1 乗が欲しいのですが、 sinθ は 2m-1 乗と書いてあります。 2m とあるので sinθ の2乗を x というふうに変数変換すれば x の m 乗になることがわかります。そうすれば dθ の兼ね合いで m-1 乗になってくれるかもしれません。まずはそういうシンプルな考えで、
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とおきます。別に cosθ の方を x と置いてもいいですが、sinθ より cosθ の方がマイナスが出てくるぶん微分するとややこしくなるのは経験済みでしょう。こうすると積分範囲は 0 → 1 になることがわかります。ベータ関数の定義と同じ範囲です。あとは dx に変換するためこの sinθcosθ という断片を 2m-1 乗、2n-1 乗の方から1個ずつ抜き取ればいいわけです。そうすれば次のように変形できます。
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あとは変数変換を適用しましょう。すると自然とこれがベータ関数と等価であることが導かれます。
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これは変数変換を適用しただけの状態です。 sinθ の二乗が x であるため、sinθ そのものはそのルート、1/2 乗であることに注意が必要です。同様に cosθ はルート 1 引くサイン二乗なので、1-x にルートがかかったものと表記できます。これらは肩の数字が 2m-2, 2n-2, つまり偶数なので 2 を分配することで綺麗にすることができて
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と、証明が完了します。こちらから出発して sin, cos の式を導くことも当然できますが、興味がある方は挑戦してみて下さい。とにかく、これでベータ関数は 2 つの形で定義できることが分かりました。最後に書きますがこの表記は特定のタイプの積分で威力を発揮します。その威力を確かめるにあたっては、次に紹介するある重要な性質を知っておく必要があります。

交換法則

ベータ関数は交換法則が成立します。すなわち
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です。これは定義式で簡単に確認できます。
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において、1-x = y と変数変換してみましょう。すると積分範囲 0→1 は 1→0 になり、 dx= -dy で変換できることがわかります。つまりこれは積分範囲を逆にして 0→1 に戻せばマイナスが出るので、実質的にマイナスも何も出ないことを意味します。被積分関数が書き換わるというだけですね。
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ベータ関数とガンマ関数の関係

以下の関係式を知らなければ、ベータ関数のことを知っているとは言えません。それくらい重要な関係式がこちらです。
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このようにベータ関数はガンマ関数を使って表現できます。つまりあの変な定義式をいじらなくてもガンマ関数だけでベータ関数の値が分かるというわけです(ガンマ関数そのものが変な式と言われてはおしまいですが)。
 これも三角関数表記同様、自明とは言いがたいので確認をしてみましょう。定義式から導出が可能ですが、右辺はガンマ関数が3つもあって、このまま戻すと分母分子に積分が見えてややこしいので次のように方針を立てます。まずΓ(m)Γ(n)をガンマ関数の定義式から展開して、Γ(m+n)B(m,n) に一致することを確かめます。というわけで、
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がスタート地点です。これはただガンマ関数の定義式を並べただけなので何も怖じ気づくところではありません。もちろん Γ(m) と Γ(n) は完全に独立なので、累次積分のような形式にすることも可能です。誤解を生まないため変数は独立だという意味で x, y と違うものを選んであります。ただこれだけでは進めようもないので、一つ、工夫をします。それが前回ガンマ関数が半整数の時に行った計算と全く同じ手順ですが、ルートx を新たな変数とするような変数変換です。なぜそんな変換をするのかですが、先ほど書いた様に実際に累次積分形式にしてみると分かるかもしれません。
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このままでは進めませんが、e の累乗の x+y は見知った形です。これがもし x の二乗 + y の二乗であれば、極座標形式に変換することでさらなる式の変形ができます。ガウス積分でさんざん経験してきたやり方でしょう。実際そのようにするためにはルート x、ルート y をそれぞれ新しく x, y と置き直せばいいだけなのです。とりあえずガンマ関数に適用するとどうなるか、試してみましょう。ここでは誤解が起きないよう変数変換後の形を知るためだけのガンマ関数 Γ(k) を考えます。積分変数も z としておきます。
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ここで z の 1/2 乗を 新しい変数 w とおきます。
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積分範囲はルートになっても 0 から ∞ で変わることはありません。
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結果、ガンマ関数はこのように書いてもよいことがわかりました。ガウス積分と関係しそうな形ですね。実際、Γ(1/2)にすればこれはガウス積分そのものであることがわかります。最後、変数変換をして wdw で w が一つ出てきましたが、それは w の 2k-2 乗に吸収されて 2k-1 になったことに注意が必要です。
 以上を Γ(m)Γ(n) に適用しましょう。変数を置き直すと文字が一杯出てきて大変なので x, y のまま書き直します。
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これで、極座標に変換できることがわかります。極座標変換とは、 2 次元の場合は
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と置くことを意味します。大体微分積分でやった訳の分からない公式はこういうところで突然出現するのですが、なぜこうなるか分からない場合のために詳しく書いておくと、確かに微分積分では意味不明な変換の公式がありました。クラシアンだかトレビアンかヤコビアンとかいう名前のよくわからない行列式を使って変換する方法です。実用上はあんなものは覚える必要は無く、次のように理解して下さい。
 基本にあるのは直交座標、xy 座標の「dxdy」という長方形(正方形も含めて)を変換したい座標系でならどう書けるか、というところだけなのです。xy 座標は軸が固定なので dxdy は横方向、縦方向の微小な移動距離の積として、微小面積を意味するものとして定義できました。ただ極座標は r 軸、θ 軸というのは常に直交しますが、場所によって向きが違うことが問題です。こういった中で dxdy に相当する長方形を作り出す必要があります。変数変換において常に大事なのは「曲がりは限界まで拡大すればないのと同じ」だということです。
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極座標とはこういう座標の見方を言います。この青く塗りつぶした dS = dxdy に相当するものを求めればいいわけです。既に書いた様に曲がりは極限においてはどうでもいい(直線に等しい)ため、高さ dr、下の辺は rdθ ですが、上の辺も rdθ の長方形として扱えることがわかります。これはかなり大きく書いたために明らかに上と下の辺の長さは等しくないですが、無限まで拡大するともはや直角な長方形として扱うことができます。これが極座標などの変数変換を手際よく取り扱えるようになるためのポイントです。
 下の辺が rdθ なのはいいとしても、上は絶対に rdθ ではなく (r+dr)dθ のはずだ、と思う人は 2 次の微小量という言葉を思い出して下さい。別に (r+dr)dθ としても結果は一緒なのです。曲がりは無視していいので馬鹿正直にこれが上底、下底 rdθ, (r+dr)dθ で高さ dr の台形だとしましょう。小学生以来かもしれませんが (上底+下底)×高さ÷2 というのがありました。上底+下底は rdθ + (r+dr)dθ = 2rdθ + rdrdθ です。これに高さ÷2 をかければ rdrdθ + rdrdθdθ/2 になります。2 項目は微小の度合いが一項目よりも更に小さいわけで、こんなものはあってもなくても同じです。したがってこれは省略でき、いずれにせよ rdrdθ という同じ結果が得られます。そういう理屈だったら上底はどうせ消えるのだから最初から dr など含めないで下底と同じでいい、というのが合理的ですね。
 以上から dS=rdrdθ であることがわかります。これによって極座標と xy 座標の間で
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という関係式が導かれるのです。3次元だと球座標や円筒座標というものもありますが、それも全く同じイメージで理解できます。あれは変な行列式をいじりまわして得るものではありません
 かなり遠回りしましたが、この極座標変換を施すことで
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であることがわかります。積分範囲は注意です。無限まで行くので r は 0 から無限でいいのですが、角度は違います。元々 x, y ともに 0 から無限大までということは、これは x,y 軸で区切った 4 つのエリアの内、右上の区間全体でしか積分しないということです。半径はどこまでも伸ばせますが角度は 0 から 90 度までしか回せません。そのためこのように変換されます。以上より、 θ と r が完全に分離できているので積分の積に直すと
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です。こうなればもう終わったも同然で、左のほうはガンマ関数の定義そのもの (先ほどの z の 1/2 乗を w とおいたタイプの方です) であって、右はベータ関数の三角関数表示形そのものだからです。どちらも前に 2 が要りますが、左端にある 4 を 1 個ずつ分配すれば済むことです。したがって
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が示されます。ここで sin, cos が本来定義したものと逆なので B(n,m) = B(m,n) としていることに注意して下さい。逆に言えば m,n か n,m か、つまり cos が先か sin が先かは大した問題ではないということです。両辺を割れば
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の関係を確かめることができました。

ベータ関数/ガンマ関数の相反公式

もう一つ、特にベータ関数を扱う上で計算テクニックとして知っておく必要のある公式があります。これは相反公式と呼ばれるもので、
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です。p が 1 未満というあたりいかにも確率の計算に使いそうですが、要するにベータ関数の m, n があわせて 1 になる場合このような公式が使えるということです。計算が劇的に楽になるほか、既知の Γ(1), Γ(1/2) 以外でもこれに当てはまれば手計算で出せる場合が増えるということになります。
 これを示すのは実は複素解析の知識が必要です。ここでは複素積分のことは前提としていませんから、興味があれば複素解析の問題として挑戦してみてください。より正確には、複素解析の知識によれば、以下のことが知られています。
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とりあえずこれは鵜呑みにするとして、この積分が相反公式が利用できる場合のベータ関数に等しいところまでは確かめましょう。これもやり方が決まっていて本当にノウハウといった感じになってくるのですが、次のように変数変換します。
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こうすると、x が 0 のとき y は 0、x が無限大のときは x/(1+x) が ∞/∞ の不定形なので上下 x で割って極限をとり y が 1 になることがわかります。こうおくとちょうどベータ関数の積分範囲になるよううまくできているわけです。
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このようにちょっとしたテクニックが必要なので注意してください。ここで登場した 1/1+x ですが、これは
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であることに注意が必要です。また変数変換するにあたって
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であることも注意しましょう。以上を踏まえると、
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と変形でき、ここで変数変換を実施すれば
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の関係が示せました。以上から
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です。

演習問題1. ベータ関数、ガンマ関数の計算方法

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(1) ベータ関数には
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の性質があることを思い出して下さい。またガンマ関数は
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という便利な性質がありました。そして覚える必要があるのは Γ(1)=1 (自明) と Γ(1/2) = ルートΠ でした。これらのツールがあればたいていの問題は計算できます。特に n が整数の場合 Γ(n) はただの高校までで馴染んできた階乗 (n-1)! です。
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(2) も同様に処理してください。
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(3) は明らかに相反公式を使う問題です。
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演習問題2. 三角関数の積分問題

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この手の積分を高校時代に苦労して計算したことがあるのではないでしょうか。この手の計算は実はベータ関数の計算として処理できます。
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にあてはめていきましょう。三角関数表示する場合は係数の 2 があることに注意が必要です。
(1) sin がないということは、 2m-1 = 0 なので m は 1/2 であることを意味します。同様に、cos が 6 乗ということは n が 7/2 であることを意味します。以上よりただちに
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であることが分かります。倍角公式といったものを使ってごちゃごちゃやるよりは美しいと思います。
 (2) 全く同様にして、m=2, n=3/2 の場合として処理できます。
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(3) 積分範囲に注意する必要がありますが、結局これは係数 4 を出すだけで 0 から π/2 積分に帰着できます。なぜならば、8 乗されているのでこれはマイナスの領域を持たないからです。 マイナスは偶数乗されることで全て上に跳ね上がります。結局同じ山が 2 個できるイメージになり、その山半分 4 個分に相当するのです。
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図にすればこういうことです。以上より
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が得られました。
 このように、ベータ関数の計算は公式とガンマ関数の性質を使って小学生の計算をひたすらやるだけです。この手の三角関数の積分はベータ関数として解釈すると非常に簡単に計算できるので、次から使ってみるとよいかもしれません。

今回のまとめ

A1.ガンマ関数の定義
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A2. ガンマ関数の数を下げる公式
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A3. nが整数の場合、高校までで習った階乗に一致
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A4. Γ(1/2) の場合、ルートΠ
 
B1. ベータ関数の定義
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B2. 三角関数によるベータ関数の定義(前にある2に注意)
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B3. 交換法則
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B4. ベータ関数とガンマ関数の関係
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B5. 相反公式
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